コラム / 今週のキーワード
書き換え型DVDの大本命、DVD+RWとは
2001年4月4日
CDからDVDへ
音楽CDから始まったCDの歴史は、パソコン環境でデータの配布に便利なCD-ROMへと発展し、その後書き込みができるタイプのCDとしてCD-R、そして書き換えも可能なCD-RWへと続いた。CD-RやCD-RWが今日のパソコン環境における記憶媒体として主役の地位に就いていることは、誰にも異存がないところであろう。それにしてもなぜCD-RやCD-RWがこれほどまで普及したのであろうか。もちろん手頃なメディア価格も普及のための重要なファクターになった。しかしもっとも重要だったのは、CD-Rが既存のCD-ROMドライブで読み出しが可能であるばかりか、AV用途のCDプレーヤでも再生可能であったことである。この互換性の高さが、CD-R/RWの多様な使用方法を支えてきたといえる。
そして21世紀になった今、オーディオCDのデビューから約20年が経過した。パソコン用途のCD-ROMの登場からも約15年たっている。その間パソコンのデータ容量は増大の一途をたどり、ハードディスクも数十GBが当たり前だ。また高画質で画像を再生できるDVD-Videoも去年あたりから急速に普及してきている。いよいよCDからDVDへの流れが時代の必然となってきた。
DVD+RWとは
DVD+RWを推進しているのは現在7社である。
- ヒューレット・パッカード
- 三菱化学
- フィリップス
- ソニー
- トムソンマルティメディア
- ヤマハ
そしてリコーである。これらの企業はAV用途のCDプレーヤやパソコン用途のCD-R/RWドライブ/メディアの製造および規格化においてリーダー的な役割を果たしてきた。そしてこれらの企業が推進しているのがDVD+RWだ。DVD+RWはいうなればCD直系のフォーマットである。したがってCD-R/RWが実現していた、既存の再生専用ドライブ(CD-ROMドライブやCDプレーヤ)との高い互換性という特長が、DVD+RWにも引き継がれている。つまりDVD+RWドライブまたはレコーダで記録されたDVD+RWメディアは、既存のDVD-ROMドライブやDVD-Videoで再生できるということである。これがDVD+RWの最大の特長である。
DVD+RWの再生互換性
DVD+RWメディアはCD-RWと同じ「相変化記録」によって記録される。相変化記録は繰り返し書き換えが可能だ。また既存の再生用DVD-ROMドライブやDVD-Videoプレーヤとの互換性を確保するため、データ容量からトラックピッチ、データ変調方式など、すべての物理仕様がDVD-ROMディスクもしくはDVD-Videoディスクと同じになっている。さらには反射率も2層DVD-ROMディスクと同じであり、ごく一部の古いDVD-ROMドライブまたはDVD-Videoプレーヤを除けば、再生互換性が確保されている。またこのような物理的互換性に加えて、論理的な互換性、すなわちファイルシステムとしての互換性も確保されているのがDVD+RWの特長だ。
つまり世界標準フォーマットであるUDFフォーマットを用いることにより、ランダムアクセス記録・再生が可能であり、またDVD-ROMドライブでの読み出しも可能である。さらにビデオ録画においてもDVD-Videoプレーヤで再生できるDVD-Videoフォーマット上でリアルタイムに記録、編集が可能だということである。
このようなランダムアクセス記録という、書き換え可能なメディアであることを最大限に生かすフォーマットは、幾つかのDVD+RWに固有な技術によって達成されている。その1つが「ロスレスリンキング」である。ランダムアクセスでデータを変更する場合、データブロックとデータブロックをつなぎ合わせることが必要になる。DVD+RWのフォーマットではこのリンク部分を1ミクロン以内という高精度でつなぎ合わせることによってリンクロスをなくし、DVD-ROMドライブやDVD-Videoプレーヤとの互換性を保ったランダムアクセスの書き込みおよび編集が可能になっている。またロスレスリンキングによって、可変ビットレートでのMPEG2記録もDVD-Video互換を保ったまま可能だ。
PC分野におけるDVD+RW
パソコンでDVD+RWを使用する場合に、DVD+RWの特徴的な部分はなんだろうか。これは主に2つある。ひとつは「UDFフォーマット」であり、もうひとつは「バックグラウンドフォーマット」だ。
UDFフォーマット
DVD+RWをパソコンで使用する際、書き込みに関しては2つのフォーマットを用いることが可能である。OSTA(Optical Storage Technology Association)によって標準化されている、業界標準のUDF(Universal Disk Format)に従って書き込まれる「パケットライトフォーマット」と「DVD-Videoフォーマット」である。
パケットライトフォーマットはCD-RWで主流となっているフォーマットでランダムアクセスを頻繁に行なうパソコンでの使用に適している。ハードディスクをバックアップするなど、大容量ファイルの保存に最適である。もう一方のDVD-VideoフォーマットはDVD-Videoプレーヤでの再生が可能であるため、パソコン上のハードディスクに録画したテレビ番組をDVD+RWメディアに書き出し、リビングの大画面テレビで視聴することが可能だ。またデジタルビデオカメラで撮影した画像をパソコンに取り込み、編集した映像をDVD-Videoフォーマットで書き出すことによって、オリジナルDVD-Videoの作成が可能になる。DVD+RWなら、DVD-Videoフォーマットで作成したあとも部分的な編集が可能で、なおかつ互換性も維持できる。
バックグラウンドフォーマット
バックグラウンドフォーマットはDVD+RWメディアをフォーマットしランダムアクセスによる書き込みを可能にする際、そのフォーマット時間を画期的に短縮する技術だ。これによりフォーマットの際、lead-inとデータエリアの必要な部分のみをフォーマットしたのち、即座にランダムアクセスが可能になる。データエリアのフォーマットは、リード/ライトの空き時間に順次行なわれる。バックグラウンドフォーマットを使用することによって長時間フォーマットの終了を待つ必要はない。
DVD+RWの今後の展開
DVD+RWフォーマットを採用した製品は2つの分野にまたがる。1つはパソコン分野であり、もう1つはビデオ録画のための民生分野である。
DVD+RWはパソコンとAV機器を統合できるフォーマットである。つまりパソコン上でランダムアクセスに記録・編集したDVD-VideoフォーマットのDVD+RWメディアは、そのままAV機器のDVD-Videoプレーヤで再生ができる。また逆にAV用のDVD+RWレコーダで記録したDVD+RWメディアは、パソコン上のDVD-ROMドライブで再生可能である。今後パソコンとAV機器がどのように役割を分担し、あるいは統合されていくかまだ分からないが、どのような形になるにせよ共通のフォーマットで記録されていれば、のちのち互換性で苦しむことも少ないだろう。リコーのパソコン用DVD+RWドライブは、DVD+RWメディアへの記録とともにCD-R/RWメディアへの記録も可能なスーパーコンボという形で今年の第3四半期に登場する。もちろんDVD+RWメディアもリコーから発売される。いよいよ本格的なDVD時代の幕開けである。
((株)リコー 菅原宏樹)
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