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東京めたりっく通信、11月に1.5Mbpsで月額5500円程度のインターネット常時接続サービスを提供開始


1999年10月18日

東京めたりっく通信(株)、国際電信電話(KDD)(株)および(株)ケイディディコミュニケーションズ(KCOM)の3社は、東京めたりっく通信が11月に提供を開始する予定の、高速インターネット常時接続サービスの試験サービスについて業務提携を行なうと発表した。

東京めたりっく通信は、数理技研(株)とソネット(株)の折半出資により、“日本のインターネット接続料金を、一挙に国際的にも米国を凌駕するところまで引き下げてサービスする”ことを目指し、7月29日に設立された会社。数理技研は、'97年から長野県伊那市でxDSLの試験サービスを実施している。ソネットはxDSL技術の専門会社。

郵政省の“接続料の算定に関する研究会”が7月末に、東西のNTT地域会社に対し、銅線(メタリック芯線)を使用した一般の電話回線の開放を求める最終報告を受けて、*DSLを使用した高速インターネット常時接続サービスの試験サービスを開始する。サービスの提供にあたっては、KDDがNTT地域会社との中継伝送路と、IPバックボーンネットワークを提供し、KCOMがインターネットサービスプロバイダー(ISP)として必要な設備の提供と、料金の請求などの業務を行なうとしている。

*DSL(Digital Subscriber Line:デジタル加入者回線)、銅線を使った一般電話回線において、音声用周波数(3.4kHz)以外の、使用されていない帯域(80〜1100kHz)を利用して、2〜12Mbpsのデータ伝送を実現する技術。

NTTからKDD間を、光ケーブルを使って155Mbpsのネットワークで接続し、上位のプロバイダーへ10〜20Mbpsで接続する計画。ユーザーへ提供できる速度は、640kbpsないし1.5Mbps(電話局からの距離により異なる)、可能であれば6Mbpsのサービスも検討するとしている。料金は一般ユーザー向けが、加入料3万円(1万5000円程度の工事料金が別途必要)で月額5500円、企業向けが、加入料9万円で月額3万円を予定している。

サービスは、11月に都内の6つの電話局において、試験商用サービスを開始する。電話局の内訳は、NTT自身がDSLの試験サービス提供を予定している、四谷局、新淀橋局、青山局、三田局、池袋局の5局に、東京めたりっく通信のみの提供となる茅場兜局となる。提供する回線数は、当初は1電話局あたり750回線だが、最終的に1500回線まで増やす予定。これにより、6局全体で9000回線のサービスを提供する。サービス提供先としては、一般ユーザー95パーセント、企業ユーザー5パーセントを想定しているという。

東京めたりっく通信(株)の小林博昭代表取締役社長
東京めたりっく通信(株)の小林博昭代表取締役社長



記者発表で挨拶に立った東京めたりっく通信の小林社長は、今回のKDD、KCOMとの業務提携に関して「長野県伊那市で(数理技研が)行なった、xDSLのサービス実験を始めたときから、KDDにバックアップしてもらっていた経緯がある」と述べた。サービス自体については、「当初はインターネット接続も含めてサービスする形だが、1、2年後には、(xDSLによる)アクセス網を一般のISPに開放することで事業展開を図る」「(xDSLが)うまく動くということがわかれば、なるべく多くの回線サービスを東京とその近辺で開始していきたい」「東京周辺の一般公衆回線が800万回線、またインターネット加入者数は80万。今後のノビも考えると、将来的には100万加入回線も夢ではない」と、当初の地域やサービスにとどまらない考えを明らかにした。

KDD(株)の執行役員の、営業統括本部マルチメディア事業本部マルチメディアビジネス推進部長、池田佳和氏。右は(株)KDDコミュニケーションズの阿久津敏幸代表取締役専務
KDD(株)の執行役員の、営業統括本部マルチメディア事業本部マルチメディアビジネス推進部長、池田佳和氏。右は(株)KDDコミュニケーションズの阿久津敏幸代表取締役専務



KDDの池田部長は、業務提携においては「xDSLサービスに対するいろいろな技術の蓄積や、オペレーションに対するノウハウが得られる」というメリットがあると述べた。また、今回の東京めたりっく通信との事業とは別に、KDD独自でもxDSLを使用したインターネット接続サービスを、「来年の早い時期をめどに開始したい」との考えを明らかにした。

記者発表の中では、実際にNTT地域会社に支払う電話回線の使用料金については、まだ交渉中であるとした。東京めたりっく通信としては、ユーザーは電話回線の維持費はすでに払っているという考え方に沿って、使用料は無料にすべきとの主張を、NTT地域会社に対して行なっている。しかし、(無料を主張することで)この料金交渉が長引いてしまうというようなことであれば、1000円程度までの使用料を払うようなことになっても、サービスの開始を優先したいという方針を明らかにした。なお、NTT地域会社に支払う料金はユーザーの負担となる。料金やサービスについての詳しい説明は、11月11日に開かれるBBIA(超高速・超廉価インターネットアクセス)セミナーで明らかにするとしている。

左端が東京めたりっく通信の東條巌代表取締役会長
左端が東京めたりっく通信の東條巌代表取締役会長



また、東京めたりっく通信の東條会長は、「日本の電話線はISDNに汚染されている。日本で標準となっているISDNの信号は世界標準とは異なり、xDSL普及の邪魔となっている。そのためにxDSLにコストがかかってくることをぶち破るのがわれわれの役割」「現在ISDNに加入している人は、線はいいんだからそれを解除して(東京めたりっく通信に)入りなおしてほしいくらいに考えている」「NTTもISDNをどこかであきらめないと生き残っていけないのではないか」と述べ、NTTの進めるISDNでは、時代の要求に応えられないとの考えを示した。

さらに東條会長は、試験サービスについて、1500回線で6局なので約1万ユーザーに提供するわけだが、この数ではまったく足りない状況になった場合は、「市場が求めているのになぜ押しとどめているのかと、郵政省に交渉していく。ISDNは(帯域を)300Kbpsも使ううえに高調波も多く、出力も大きいためxDSLは邪魔されてしまう。この1年間の試験サービス期間を、NTTに執行猶予を与えるような時間にしてほしくない」と続けた。

このISDNの“悪さ”についてKDDの池田部長は、「ISDNは10数年前の技術であり、日本独自の“ピンポン方式(端末確認の方式)”が悪さをしている。現在の技術であれば、一挙に10倍くらい効率の良い伝送方式ができるはずであり、既存のカッパーケーブル(銅線)という国民的に重要な資産を活用していくべき」との考えを示した。

(編集部 佐々木千之)


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