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日本IBM、情報バリアフリーを目指す“ITry Project”を発表──対応した新Aptivaも


2001年1月23日

日本IBM(株)は23日、高齢者や障害者など細かい画面文字が見にくかったり、マウス操作が苦手な人でも、インターネットを簡単に利用するための取り組み“ITry Project(アイトライ・プロジェクト)”と、“ITry Kit”を組み込んだ新Aptivaを発表した。

日本IBMの堀田一芙取締役
日本IBMの堀田一芙取締役

情報バリアフリーを目指すITry Project

発表会で日本IBMの堀田一芙取締役は、「インターネットへのブロードバンドアクセスが可能になるにつれて、動画や高画質画像、音声、テキストがコンテンツに混在しているが、これらを楽しんでいるユーザーの構成年齢を見ると、20代30代が中心で、50代以上はわずか。今後の一層のインターネットの普及を考えると、こうしたシニアユーザーでも簡単にインターネットにアクセスできる環境を整えることが鍵となる」とし、日本IBMとしてテクノロジーと人間の融和という観点から情報バリアフリーを目指す“ITry Project”の取り組みを発表した。

ITry Projectの目的は、“初心者や高齢者、身障者による容易なインターネットアクセスを実現する”というもので、より扱いやすいユーザーインターフェースを持つパソコン、優しいアプリケーション、パソコンとアプリケーションを生かすサーバー側のサービスに取り組んでいくという。今回その第1段階として、Windowsの画面の文字やアイコンなどを大きくして見やすく、操作しやすくするプログラム“ITry 1.1”とカラー印刷で、文字を大きく、余白を広くしたマニュアル、文字表示を大きくしてメールの読み書きができる『メールの王様』(3ヵ月トライアル版)をセットにした“ITry Kit(アイトライ・キット)”を提供すると発表した。

『ITry Kit』パッケージ
『ITry Kit』パッケージ。ITryユーティリティー、メールの王様トライアル版、印刷されたマニュアルが含まれる

ITry Kitに含まれるユーティリティー“ITry”は、Windowsの画面設定やマウス、キーボードなど23の設定を一度に変更し、また元に戻すというもの。マウスのダブルクリック操作の難しさ、出荷時のアイコンや画面文字サイズ、モノクロで文字の小さなマニュアル、英語タイプライター配列のキーボード入力といった、日本IBMがPC体験高齢者を対象に調査した結果を元に改善点を洗い出した。

ITryによって、画面設定が変更されたようす
ITryによって、画面設定が変更されたところ

ITry Kitは、本日発表された新しいAptiva Eシリーズ(後述)に同梱され、今後発表されるThinkPad i SeriesとAptivaシリーズにはすべて同梱される予定。発売済みの『ThinkPad i Series 1800』、2000年4月以降に発表されたAptivaシリーズにも対応しており、これらのユーザーに対しては、有償(1000円)で配布するほか、IBMのウェブサイトを通じてのダウンロードサービスも実施する。また、ライコスジャパン(株)の賛同を得て、トップページの文字設定などを大きくした“シニアLYCOS”を本日から開始する。

さらに、“WEBトランスコーディング”と呼ばれる技術を利用した、ウェブ閲覧実験を3月1日からライコスと共同で開始する。実験期間は3ヵ月をめどにしている。この技術は、サーバーを介してウェブページにアクセスすることで、ウェブページの文字のサイズや背景色、文字色の設定、メニューの並ぶ順序などをユーザーごとに設定可能にするもの。視覚障害者向けの音声読み上げ機能にも対応している。現時点ではクライアント側に読み上げソフトをインストールする必要があるが、将来はサーバー側に同様の機能を持たせる研究も行なっているという。日本IBMでは、こうした取り組みを通じて総合的なインターネットアクセシビリティーの改善を目指す。

WEBトランスコーディング技術によって、画面設定が大きく変更されたLYCOSのトップページ
WEBトランスコーディング技術によって、画面設定が大きく変更されたLYCOSのトップページ

本体カラーが黒になった新Aptiva EJシリーズ

スリムタワー型モデル『Aptiva EJシリーズ』は本体カラーとデザインを一新、黒を基調としたデザインで統一されている。

本体のみの『2197-7EJ』のほか、縦長表示が可能な回転式15型TFTカラー液晶ディスプレー(1024×768ドット/1677万色)が付属する『2197-7ER』、15型CRTディスプレー(1280×1024ドット/1677万色)が付属する『同7E5』、17型CRTフラットディスプレー(1280×1024ドット/1677万色)が付属する『同7E7』、15型TFTカラー液晶ディスプレー(1024×768ドット/1677万色)が付属する『2197-ET』の5モデルが用意されている。なお、2000年秋にリリースされた液晶一体型モデルは継続販売するという。

『2197-7ER』
『2197-7ER』。ディスプレーは90度回転して縦長にして使用できる

CPUにCeleron-766MHzを採用、64MBのメモリーと60GBのHDD(Ultra DMA/66対応)を搭載する。チップセットはSiS 630。CD-R/RW書き込み4倍速、読み込み32倍速のCD-RWドライブを装備する。内蔵モデムは56kbps(V.90/K56flex対応)で、100BASE-TXインターフェースを搭載する。キーボードは、ラピッドアクセス・キーボードIIで、“ヶ”“々”“漢字番号”“前候補”“次候補”などあまり使われないキー刻印を削除し、“~”を“―”のキーのところに配置した新OADGレイアウトを採用している。マウスはスクロールポイント・マウスII。インターフェースは、PS/2×2、USB×3、パラレル、シリアル、外部ディスプレー出力、モデム用モジュラージャック、IEEE 1394×3、マイク入力、ライン入出力、光デジタルオーディオ出力、MIDI/ジョイスティック。OSはWindows Meで、Microsoft Office 2000 Personalがプレインストールされている。

また、各プリンターメーカーの売れ筋機種のプリンタードライバー自動インストールシステムを塔載しており、PCとプリンターをケーブルでつなぐと、ドライバーのインストールが自動的に完了するようになっている。対応プリンター機種は、Canon-Wonder BJ F870/S600/F660/F660V/F360、EPSON-Calario PM880C/PM780C/PM760C/CL700、hp-deskjet 930c/840c。

『2197-7ER』は、縦長表示が可能な回転式液晶ディスプレーと専用ユーティリティが付属する。標準の横長表示に加えて、90度画面を回転させることで縦長表示(縦125mm)に対応、これによりワープロ画面やホームページなど、縦長のコンテンツをスクロールなしで一度に表示できる。横長から縦長に回転させた場合、画面表示は横長から縦長表示に自動的には切り替わらない。画面の切り替えは専用ユーティリティ『Pivot Software』を利用して行なう。Pivot Softwareはタスクトレイに常駐し、必要なときにクリックすると縦長/横長表示が切り替わる。ショートカットキーでも切り替え可能。ただし、一部ゲームや3Dアプリケーションなどは正しく表示されない場合があるという。

5モデルとも2月1日発売。価格はオープンプライスで、ShopIBM価格は、7EJが13万9800円、7E5が15万9800円、7E7が16万9800円、7ETが22万9800円、7ERが23万9800円。

(編集部 佐々木千之/桑本美鈴)


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