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産経新聞、紙面をまるごとデジタル配信


2001年4月4日

(株)産業経済新聞社は4日、新聞紙面を高速インターネットを通じてユーザーのパソコンに送信し、パソコン上で拡大/縮小しながら紙面を読めるシステム『ニュースビュウ』を(株)サピエンスと共同で開発したと発表した。

産経新聞デジタル版画面
ニュースビュウで産経新聞紙面を表示した画面

ニュースビュウは、記事や見出し、広告など新聞紙面の情報すべてをイメージデータ化して、そのデータを独自技術で圧縮、圧縮データにハイパーリンク処理などを施した後、高速インターネット用ウェブサーバーへ送信し、サーバーからプロバイダーを通じて一般ユーザーに配信するという新聞のデジタル配信システム。

配信する新聞コンテンツは、東京発行の産経新聞朝刊/夕刊“産経新聞デジタル版”、および夕刊フジ“夕刊フジデジタル版”。イメージデータとして取り込むため、どのような言語でも対応でき、また新聞紙面レイアウトそのままで電子配信が可能となっている。配信プロバイダーは、アットホームジャパン(株)、エー・アイ・アイ(株)、(株)有線ブロードネットワークスの3社。配信エリアは、産経新聞が近畿圏の一部を除く全国、夕刊フジが首都圏と近畿圏を除く全国。よって、上記プロバイダーが提供するブロードバンドインターネット接続サービスを利用しているパソコンユーザーで、配信エリア内在住者のみがニュースビュウを利用できることになる。

ニュースビュウの利用ユーザーは、プロバイダーの専用ウェブサイトなどで提供されるニュースビュウデータをダウンロードすることで、パソコン画面上で新聞コンテンツを表示できる。コンテンツは独自の自己解凍型ビューア形式となっており、ビューアのインストールは不要。コンテンツを開くと、まず紙面の1面全体(15段分)が画面に表示される。画面表示サイズは、9段階まで倍率を切り替え可能。さらに一部分を拡大表示可能な“虫眼鏡”機能も用意されており、画面サイズ拡大と虫眼鏡機能を併用すると、新聞面積比で最大64倍まで拡大できるという。

画面はスクロールバーによる縦横スクロールのほか、マウスカーソルを利用して任意の方向へスクロールさせることも可能。紙面のページ切り替えはツールバーのアイコンで行なえるほか、インデックスを利用して指定のページにジャンプできる。1面だけでなく見開き表示(2面表示)も可能。また、範囲指定した部分を印刷できる。用紙サイズに合わせたり、用紙中央印字、拡大印字などの印刷オプションを設定できる。見開き表示の際は、中央の余白部分をまたいで印字することも可能。

さらに、記事内の“3面に関連記事”といった部分をクリックすると、指定の関連記事部分にジャンプできるハイパーリンク機能を搭載する。ラジオテレビ欄のフジテレビの番組にもリンクが貼られており、任意の番組をクリックすると、その番組の専用ホームページが表示されるようになっている。このハイパーリンクは紙面の広告にも貼り付け可能という。

コンテンツ配信時間は、朝刊が5時、夕刊が16時の予定。コンテンツ容量は、産経新聞の朝刊が30MB、夕刊が15MB程度。コンテンツの閲覧可能期間は2日間で、データ保存はできない。バックナンバーについては、ひと月分のコンテンツをCD-ROMに収録したものを別途有償で提供するという。ユーザー認証については各プロバイダーがユーザーに提供している固定IPアドレスを利用し、固定IPを利用しないプロバイダーについては専用IDとパスワードを設定するとしている。

ニュースビュウは、5月中に一部地域で試験配信が実施され、試行期間を経て8月に本格サービス開始となる。スタート当初は無償でサービス提供を行ない、その後有償に切り替えるとしている。有償化した際の利用料金は未定で、現在各社プロバイダーと調整を行なっているという。ニュースビュウはページ単位で課金が可能なため、ページビューごとと、月極の2料金体系となる見込み。

産経新聞社は、ニュースビュウの目標利用者数について、2005年時のブロードバンド利用世帯の1割(日本政府による2005年時のブロードバンド利用世帯目標数は4000万世帯)としている。また、他の新聞社や出版社に対し、ニュースビュウの利用参加を呼びかけている。

本日都内で行なわれた発表会で産経新聞社代表取締役社長の清原武彦氏は、「インターネットをめぐる環境は急速に進化しており今年はブロードバンド元年と言われている。そのため、社を上げて高速インターネットを通じて新聞のデジタル配信をする事業に取り組むことにした。このシステムは画期的なものだ。このニュースビューは、紙面のデータ圧縮から課金方式までの一連のシステムについてビジネスモデル特許を出願している。われわれ以外の新聞社や出版社などで参加したいという希望があれば歓迎する」と説明した。

産経新聞社の清原社長
産経新聞社の清原社長

なお、このニュースビュウにより、紙の新聞の販売に影響が出るのではという質問に対して、同社は「紙の新聞はなくならない。当面は紙が主力だろう。中にはニュースビュウだけでいいという読者もいるだろうが、多くは紙と併読する形になると考える」としている。

(編集部 桑本美鈴)


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