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ボーランド、Linux用ビジュアル開発ツール『Borland Kylix』日本語版を発売


2001年4月17日

ボーランド(株)は17日、Linux対応のビジュアル開発ツール『Borland Kylix』日本語版を5月18日に発売すると発表した。

ビジュアル開発環境の日本語版がいよいよ登場

Kylixは、同社のWindows用開発環境『Borland Delphi』をLinux上に移殖したもので、Linux業界初の本格的なビジュアル開発環境。Delphiの使い勝手をそのままLinux上で再現している。

Kylix画面
『Kylix Desktop Developer』日本語版の画面

従来のLinuxアプリケーション開発環境はコマンドラインベースで手間がかかり、商用コンパイラーも不足していたが、KylixによりWindowsの開発環境と同じやり方でLinuxアプリケーションを開発できる。ソースレベルでデバッグが可能なほか、Linux専用のネイティブコードコンパイラーを搭載する。

また、130種類以上の部品を提供するコンポーネントライブラリー“CLX”も用意されている。同社はDelphiの次期バージョンにWindows版のCLXを実装するとしており、CLXを利用して開発したLinux用アプリケーションをコンパイルし直せばWindows用アプリケーションとなり、LinuxとWindowsの互換性が保たれる。

そのほか、XMLベースのデータベースエンジンや、ウェブサーバーアプリケーションをビジュアル開発できるApache用モジュール開発用コンポーネント“NetCLX”、Oracle 8iやIBM DB2などのRDBMSにアクセスできるアーキテクチャー“dbExpress”などを搭載する。

Kylix 日本語版の製品ラインナップは、アプリケーション開発環境『Kylix Desktop Developer』と、サーバー開発環境『Kylix Server Developer』の2種類。価格は、Kylix Desktop Developerが12万円、Kylix Server Developerが24万円。なお同社はKylix発売記念キャンペーンとして、9月20日までの期間限定でKylix Desktop Developerを6万8000円で提供する。また既存のDelphiユーザーを対象にKylix Desktop Developerを9月20日までの期間限定で3万2000〜3万8000円(価格は所有するDelphiの種類によって異なる)で提供するという。

Desktopパッケージ
『Kylix Desktop Developer』のパッケージ
Serverパッケージ
『Kylix Server Developer』のパッケージ

Kylixの動作環境は、Linuxカーネルがバージョン2.2以上、libgtk.soバージョン1.2以上、libjpegバージョン6.2以上、X11R6互換のターミナルサーバー、glibc2.1.2以上。動作確認済みのLinuxディストリビューションはRed Hat Linux 7J、Turbolinux Workstation 日本語版 6.0。

Linuxディストリビューターも賛同

また同社は、Kylix 日本語版の発表に伴い、Kylixの動作検証を完了したLinuxディストリビューション向けの“Kylix Ready”プログラムも発表した。同プログラムは、Kylixが動作することが検証されたLinuxディストリビューションであることを示すためのもの。ディストリビューターは動作が確認できたLinuxディストリビューションについて“Kylix Ready”ロゴを表示できる。現在同プログラムに賛同しているLinuxディストリビューターは、ターボリナックスジャパン(株)、日本SCO(株)、ホロン(株)、ミラクル・リナックス(株)、メディアラボ(株)、レーザーファイブ(株)、レッドハット(株)。

さらに、Linuxディストリビューター各社もKylix 日本語版の発売に合わせ、新製品/サービスを提供する。

ターボリナックスジャパンは、ボーランドとKylix 日本語版の共同マーケティングを開始する。ボーランド製品ユーザー向けに『Turbolinux Workstation 日本語版 6.0 Limited Edition』を5800円の優待価格(通常価格は6800円)で提供するほか、Kylix製品パッケージにTurbolinux Workstation 日本語版 6.0 Limited Editionから商用アプリケーションを除いたものを同梱する。

(株)テンアートニとレッドハットは、Kylix Desktop DeveloperとRed Hat Linux 7Jをセットにしたパッケージ製品『Do Meister』を5月下旬に発売する。価格は7万4800円で9月20日までの限定発売。

またミラクル・リナックスは、パッケージ製品『Miracle Linux with Oracle8i/Kylix』を5月末に発売する。同製品は、『Miracle Linux Standard Edition』、『Oracle8i』、およびKylix Server Developerをセットにしたもので、価格はオープンプライス、推定小売価格が30万円台。

多くのユーザーに体現してもらうため低価格で提供

本日都内で行なわれた発表会で、同社代表取締役社長の安藤由男氏は、「Kylixは発売前から世界的に話題性が高かった。DelphiをLinux上に移殖した製品で、『Delphi for Linux』が名称候補にあがっていたほどだ。KylixこそLinuxの普及を促進するキープロダクトであり、Linux上でもWindows環境と遜色ない開発効率を実現する。多くのLinuxユーザーにKylixを体現してもらうため、日本独自の戦略的な価格設定を行なった」と語った。

また、同じく発表会に出席したターボリナックスジャパンの小島國照社長、テンアートニの角田好志代表取締役社長、ミラクル・リナックスの矢野広一代表取締役社長がKylixについてそれぞれコメントした。

小島社長「エンタープライズ市場でLinuxが利用される際の障壁が開発ツールだった。WindowsをポピュラーにしたVisual Basicの役割は大きかった。それに相当するものがLinuxにも必要だ。KylixはLinux業界においてのエポックメイキングであり、その存在は重要になるだろう」

角田社長「Linuxビジネスはこれまでサーバーが主体だったが、Kylixの出現によりクライアントやワークステーションでもLinuxが使われるようになるだろう」

矢野社長「日本のLinux市場は世界に比べて寂しい。市場を大きくしようとする集団にとってはKylixは心待ちの製品だ。これによりLinuxは開発環境においてWindows NTと同等になる」

安藤社長など発表会出席者
右から、ボーランド安藤社長、ボーランドKylixプロダクトマネージャの大野元久氏、ターボリナックスジャパンの小島社長、テンアートニの角田社長、ミラクル・リナックスの矢野社長。「“kylix”とはギリシャ語で聖杯の意味。『Kylix』で祝杯をあげるべく努力する」(安藤社長)

(編集部 桑本美鈴)


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