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【COMDEX Fall 2000 Vol.4】米トランスメタがロードマップを発表――2001年上半期に0.13μmのCrusoe-800MHzが登場


2000年11月17日

米ネバダ州ラスベガスで13日から17日(現地時間)まで開催中の“COMDEX/Fall 2000”において、米トランスメタ社がプレス向けにプライベートミーティングを開催した。2001年前半期に0.13μmプロセスで製造された800MHz駆動のCrusoeを投入、2002年には次世代Crusoeを1GHzで投入することが明らかにされた。

モーフィングソフトウェアをバージョンアップ

トランスメタによると、2001年第1四半期に現在のCMS(※1)をバージョンアップする予定だという。会場であるホテルの一室では、それぞれCMS4.1とMS4.2のCrusoeを搭載したPCが並べられ、その差を見せるデモンストレーションが行なわれていた。デモは64MBのメモリー(CMS4.1はSDRAM、4.2はDDR SDRAM)(※2)、グラフィックチップにカナダのATIテクノロジーズ社のRAGE Mobility M1(ビデオメモリー8MB)、プロセッサーは『TM5600-667MHz』を搭載した環境でDVDビデオソフトを再生、消費電力をモニターしていた。

※1 CMS(Code Morphing Software)。トランスメタのx86互換プロセッサー“Crusoe”は、x86互換プロセッサーとはまったく異なるアーキテクチャーのプロセッサーコアを採用している。Crusoeは、x86用のプログラムを実行する際に、Crusoeの内部に組み込まれたCMSによってCrusoe自身のコア用のコードに変換し、変換後のコードを実行する仕組みとなっている。CMSは書き換え可能で、バージョンアップによって性能が向上するとアナウンスされていた。

※2 CMS4.2ではDDRメモリーがサポートされるとしている。

CMS4.2のデモの様子
DVDビデオソフト再生中の消費電力を比較するデモ。左がCMS4.1、右がCMS4.2のもの

CMS4.1のPCがコア電圧1.35V、クロック533MHzで稼動していたのに比べ、CMS4.2のPCはそれぞれ1.2V、500MHzで、同様にムービーの再生が行なえていた。CMSはDVDビデオソフト再生のような同じ命令が繰り返される処理の場合、変換済みの命令をメインメモリーにもキャッシュするため、4.2でDDRメモリーに対応したことで、全体性能が向上している。また、消費電力も約4Wから約2Wへとかなり低減されている。トランスメタによれば、4.2にアップグレードした場合、DVDビデオソフト再生の場合に限らず、全体的に2割程度の省電力化と性能向上が見込めるという。

CMS4.2の供給は、来年の早い段階、第1四半期中には行なわれる予定で、すでに販売されたCrusoe搭載PCのCMSアップデートがエンドユーザーによって行なえるかどうかは、各PCメーカーの判断にゆだねられているとしている。また、今後もCMSのアップデートは6ヵ月程度のペースで続けていきたいとのことだった。

2002年には次世代Crusoeが登場

また、今後のCrusoeのロードマップだが、600〜700MHzのTM5600のサンプルは出荷済みで、来年早々に製品発売の予定。2001年上半期中には、0.13μmプロセスで製造される『TM5800』が800MHzバージョンからサンプル出荷の予定だ。さらに2002年には、新しいアーキテクチャーの『次世代Crusoe』が登場する。VLIWコアは現在の128bitから2倍の256bitに大きく変わる。現在は最高で1サイクルあたり4命令の処理が可能だが、2倍の8命令にまで引き上げられる。ダイサイズは現在は88平方mmだが、90平方mm程度を予定しているとのこと。この次世代Crusoeのクロックは1GHz程度からスタートする予定だという。一方、気になる熱設計電力(TDP)は3〜6.5Wで、通常のプログラムを実行した場合の消費電力は、現在0.5〜2Wのところを、0.5W程度にまで抑えることができるというのだから、次世代クルーソーは、2倍の性能向上と2分の1の低消費電力化を実現することになる。

また、IBMがノートPCへの採用を見送ったことで、クルーソーはその性能と将来性に疑問符がつけられた格好となっていたが、セールス・マーケティング担当副社長のジェームズ・チャップマン(James Chapman)氏によれば、「カシオ計算機が新たにCrusoeを採用し、また、現時点でCrusoeを搭載しているPCの次期モデルが発売されることもほぼ確実だ。詳しくはいえないが、まだクルーソーを採用していない日本の大手メーカー1社、また北米の大手メーカーが新たにCrusoe搭載機の発表を予定している。我々としては、Crusoeを搭載する超軽量ノートが増えこそすれ、減るなどということはないと認識している」と、自信のほどを見せていた。

(週刊アスキー編集部 佐藤律子)


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