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米トランシリカ、世界最小のBluetoothチップ製品を発表


2001年4月24日

近距離無線通信用半導体とソフトウェアの開発を行なう米トランシリカ社(※1)は24日、千葉・幕張のホテルで記者発表会を開催、フラッシュメモリーを内蔵したシステム・オン・チップBluetooth半導体を開発し、サンプル出荷を開始したと発表した。同社は日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催中の“Bluetooth Expo 2001”に出展している。

※1 '99年設立。本社は米カリフォルニア州サンディエゴ。近距離無線通信機器向けCMOS半導体に特化している。

このチップは8mm角で、1チップにRF、ベースバンド、CPU、SRAM(4KB)、フラッシュメモリー(64KB)を搭載しており、Bluetooth半導体として世界最小としている。キーボード、マウスなど周辺機器やリモコン向けのシリアルポートインターフェースを持つ『TR0740』、コードレス電話、ヘッドセット向けのオーディオ・コーデックを備えた『TR0750』、ノートパソコン、PDA、プリンターなどに向けたUSBインターフェースの『TR0760』の3つの製品が用意され、2001年第4四半期に量産出荷を予定している。

ホック・ロー(Hock Law)社長兼CEO
ホック・ロー(Hock Law)社長兼CEO

発表会でトランシリカのホック・ロー(Hock Law)社長兼CEOは、「トランシリカのBluetoothソリューション“トランシリカOneChip”の特徴は、使用しているIP(Intellectual Property)のすべてをトランシリカ社内で開発しており、外部に対してロイヤリティーは一切発生しない」として、他社のBluetoothチップ製品に比較してコストを低く抑えられると述べた。ただし、チップの価格については「顧客企業との条件により異なる」として、公表はしなかった。

ジョナサン・チアー(Jonathon Cheah,PH.D.)最高技術責任者
ジョナサン・チアー(Jonathon Cheah,PH.D.)最高技術責任者

また、同社のジョナサン・チアー(Jonathon Cheah,PH.D.)最高技術責任者は「トランシリカOneChipが搭載するSRAMは4KBと小さい。他社は16KB程度必要としているが、SRAMはシリコン上の面積がフラッシュメモリーの8倍必要で、小さくすることがコスト面でも重要だ。わずか4KBで済んでいるのはベースバンド部分の設計が優れているからだ。またフラッシュメモリーは64KBだが、そのうち56KBに必要なプロトコルスタックをすべて入れ込み、8KBをユーザーのアプリケーション用に提供している。他社ではチップの外に大きなフラッシュメモリーが必要なものもあるが、トランシリカOneChipなら1チップですべて収まり、サイズ、消費電力、コスト面で有利」と技術力に自信を見せた。

トランシリカのチップ(中央)を搭載した、サンプルボード
トランシリカのチップ(中央)を搭載した、サンプルボード。このボードで使われているアンテナも同社のIPによるもの

また、「トランシリカOneChipは、モジュールに実装した場合に必要な無線部分の調整をチップ自身が自動的に行なう機能を持っており、生産上の手間が少ない。単なるチップのコストだけでなく、そうした生産コスト面も抑えている」(チアー氏)と、製品価格だけでないトータルコストにおいても安いとアピールした。

トランシリカOneChipのシステム概要
トランシリカOneChipのシステム概要

ロー氏は、「現在はBluetoothのプロトコル規格がまだ固まっていないため、プロトコルスタックはフラッシュメモリーに置いているが、今後2001年末か2002年前半をめどにROM化してチップ内に納める。そうすればさらにコストが下がる」と述べた。

トランシリカでは、ライバルは英CSR(ケンブリッジ・シリコン・レディオ)社としているが、CSRの現行の“BlueCore”と比較し、トランシリカOneChipのほうがサイズ、コスト共に有利であるとして、日本企業を中心にコンシューマーエレクトロニクス向けに売り込みをかける構え。同社は夏までに日本事務所を設立してマーケティング活動を行なうとしている。

トランシリカの日本市場への展開計画
トランシリカの日本市場への展開。市場参入フェーズが2001年第3四半期、拡大フェーズが2002年前半、量産フェーズが2002年後半から2003年という計画

ただし、デバイスメーカー系の技術者からは「すでにCSRの製品はかなり浸透している。いったん採用した製品があるところはなかなか他社に乗り換えるのは難しいのではないか」という声も聞かれる。さらに、日本メーカーにも2001年の夏以降Bluetoothチップを計画しているところがいくつもあるので、トランシリカもそうそう簡単にシェアが奪える状況ではないと言えそうだ。

(編集部 佐々木千之)


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