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“ロボットフォーラム”と“ロボットサロン”が開催――ロボットにも法整備を!


2000年11月6日

“ロボフェスタ神奈川2001プレ大会”では、ロボット競技のほかにも、先端科学に関する講演会や、親子向け“おもしろ科学技術対話”、ロボットの共生についてのパネルディスカッション“ロボットフォーラム”なども企画された。

ロボットフォーラムでは堺屋経済企画庁長官が基調講演

ロボットフォーラムでは、経済企画庁長官の堺屋太一氏による基調講演が行なわれた。

堺屋太一経済企画庁長官が基調講演を行ない、ITとロボットの関係について話した

講演の中で同氏は、これまでの日本の経済成長が、基準に沿って同じものを大量に生産する工業社会によって支えられており、教育においても突出しない基準化された人間の育成に重点が置かれてきたと指摘。その後、コンピューターとインターネットの出現によってそれが変わり、今では個性や創造性が重要視される時代になったこと、そしてこれからのロボットは、規格大量生産とは対極に位置する創造性のある産業として発展すると話した。

同時に、持論であるIT革命の重要性についても紹介し、自身の発案によるインターネット上の博覧会“インパク”についても触れるとともに、インパクとロボフェスタの連携が大きな効果をもたらすと話した。

ロボットとの共存をテーマにしたパネルディスカッション

続くパネルディスカッションでは、経済企画総括事務次官である小野晋也氏、科学技術庁科学技術情報課長の土屋定之氏、ロボフェスタ中央委員会理事長の中野栄二氏、“快適介護の家”総婦長の大竹佐久子氏らが登壇、三菱総研主任研究委員の野口和彦氏がモデレーターとなり、“ロボットと共存する社会の夢と課題”をテーマに討論が行なわれた。

基調講演に続いてパネルディスカッションが行なわれた。左側が小野氏、右が土屋氏

その中で小野氏は、まずロボフェスタの開催理由に触れ、技術者という存在が“カッコ悪い”“暗い”といった理由で敬遠されていること、また若者の技術離れが進んでいることに衝撃を感じ、野球に甲子園があるようにロボットにも晴れ舞台を用意してあげたいと思ったと話した。

続いて中野氏は、産業用ロボットと知能ロボットの違いを説明した。中野氏は、知能ロボットが普及しない理由として、大学が論文主義であること、企業で知能ロボットを開発するにはコストがかかりすぎること、最初から高機能なものを目指し過ぎていることを指摘。機能を絞ったウエイトレスロボットを開発して実用化している例を挙げて、まず使ってもらうことが重要と話した。

左からパネルディスカッションでのモデレータを務めた野口氏、大竹氏、中野氏

一方、土屋氏は、ロボットはITと科学技術の集大成であると説明。先日の白川英樹氏のノーベル賞受賞に絡めて、人作りの重要さについても指摘し、今回のプレ大会における大勢の子供たちの喜びの表情を見て、このイベントの成功を確信したと話した。

大竹氏は、ロボットの利用の場として想定されている介護において、ユーザー側の視点から論を展開。看護婦などごく一般の人たちの目から見たロボットに対するイメージについてのアンケート結果を紹介し、“冷たい”“怖い”といったネガティブな印象が強かったと語った。また“こんなロボットがいたら”という声も紹介し、おむつ交換や徘徊同行ロボットなど、介護や医療に役立つ身近でシンプルなロボットが期待されていると話した。


大竹氏の講演ではこんなロボットが欲しいという具体的なアイディアが紹介された

会場からの意見も寄せられ、その中で“ロボットが事故を起こしたときの責任はどうなるのか”といった素朴な疑問の声があがった。また、ロボフェスタ中央委員会会長である森政弘氏からは、「道具にはそれぞれの作法があり、同時にロボットにも“ロボ道”というべき作法が必要だ」という意見が出された。

また小野氏からは、「インターネットは何となく使わざるを得ないような存在になっているが、ロボットはそうではなく主体性をもって使うべき存在である。ロボットといると必ずいいことがあると言えるようなイメージが作られることが必要」といった意見も出された。

ロボットについて語り合うロボットサロンも開催

ロボットフォーラムのあと、小野晋也衆議院議員が主宰するロボットサロンが同会場で行なわれた。同サロンは、理工系出身の小野氏を中心にロボットに興味のあるさまざまな分野の人が集まるもの。ロボットに関する話題をフランクに語り合う場として今回で6回目の開催となる。

ロボットフォーラムに続いて行なわれたロボットサロンで挨拶をする小野氏

最初にPHSで遠隔操作するロボットを開発した福岡のベンチャー企業であるテムザックからの発言として、福岡から遠隔操作したロボットを銀座でデモしてみせたところ、警察に捕まったという話が披露された。連行されたのはロボットで、現行の法律では何の取り締まりもできないため、即刻解放されたとのことだが、ロボットの普及には技術的問題だけでなく、こうした法整備など環境面での対応が急務という意見だった。

また同社は、これまで大学や研究機関などに15台のロボットを販売したと話したが、実際には販売ではなくリースの形態のほうがいいのではないかという提案もあった。というのも、ロボットが犯罪に使われた場合、誰がどう責任を取るのかという問題があるためだという。

同じくロボットサロンで発言する森氏

この日のサロンでは、一般の参加者から、高機能なロボットよりも、部品としてのロボットの普及のほうが先ではないかという意見や、ロボットの研究開発における特許のあり方などについても意見が出された。

会場からも活発な意見が出された

(浅野純也)


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