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【MACWORLD EXPO/TOKYO Vol.7】76GFLOPSを叩き出すGeForce 3がMacでデビュー


2001年2月24日

2年前、MACWORLD EXPO/SAN FRANCISCOで、アップルコンピュータ社がRAGE 128搭載の青白Power Mac G3を発表した時、同社CEO、スティーブ・ジョブズ氏はPower Macシリーズが常に最強のグラフィックチップを搭載し続けると発表した。その後、時は流れ、ATIテクノロジーズ社のビデオチップは必ずしも最強とは言えない状況になってきた。

今年1月、スティーブ・ジョブズCEOは、外装こそそのままだが、CPUから内蔵アンプまで徹底的に改善した新Power Mac G4(Digital Audio)で、初めて米NVIDIA社のGPU、GeForce 2 MXを採用。アップルの新しく頼もしいパートナーとして、NVIDIA社は基調講演でも大々的に紹介された。それからわずか1ヵ月後の、2月22日、NVIDIA社は世界最新最強のGPUを、Macの祭典、MacWorld Expo/TOKYO 2001で発表したのだ。

残念ながら同EXPOに、NVIDIA社の展示ブースはなく、GeForce 3はアップル社のブースの一角で簡単な展示が行なわれているだけ。しかし、同GPUは、さすが世界最強というだけあって短時間の基調講演でのデモだけでは、その威力のかけらすらも紹介することはできていなかった。

GeForce 3搭載のグラフィックスカード
これがGeForce 3搭載のグラフィックスカード

GeForce 3の中核は、NVIDIA社が新たに開発したInfiniteFXエンジン、1ピクセル単位の動きを細かくプログラミングできるエンジンだ。既存のGPUのように、ハードウェアにあらかじめ用意された3D処理を使うのではなく、プログラムとして用意された3D効果を組み合わせて使うことで、より各々のソフトのニーズや雰囲気にあった3D効果を適応することができる。

GeForce 3のアーキテクチャー
GeForce 3のアーキテクチャー

メモリーには64MBのDDR SDRAMを搭載、Lightspeed Memory Architectureという高速メモリーアーキテクチャーのおかげで、水流などの繊細な動きも、まったく違和感なくビデオ映像のように再現できる(もちろん、リアルタイムレンダリングで)。

Pentium III(2次キャッシュメモリーを除いたコアのトランジスター数は950万個)をはるかに上回る5700万個以上のトランジスターを集積し、毎秒760億回の浮動小数点演算(76GFLOPS)と同時に毎秒8億回の演算も並列実行できる。ほんの1年ほど前、Power Mac G4がようやくGFLOPSの大台にのり、スーパーコンピューターとして輸出規制がかかったりと大騒ぎになったが、なんと、GeForce 3はそれを軽く上回る76GFLOPSだ。参考にしたアップル社の資料(日本版アップルストアの説明ページ)が7.6GFLOPSになっていたので、筆者もこちらを信用し、これまでの原稿では7.6GFLOPSと書いてきたが、ようやく揃い始めたNVIDIA社の資料を紐解くと、どれをみても76GFLOPSと書いてある。

毎秒32億のアンチエイリアスのかかったサンプルを描画可能(これはGeForce 2 Ultraの4倍のパフォーマンス)で、競合他社の最速製品に対して7倍以上のパフォーマンスを発揮する。最大解像度は32ビットカラーで2048×1538ドットで、デジタルHDTVへの出力を実現するHDビデオプロセッサー(HDVP)も搭載する。

このGPUの最大の特徴はプログラマビリティーを応用して用意されたVertex ShaderとPixel Shaderという2つの機能だ。Vertex Shaderは細かな表情や肌の伸び縮みなどをリアルに再現する機能だ。例えば下のカメレオンのデモでは、右の写真のようにシンプルな骨格のモデルであるにも関わらず、Vertex Shaderの効果で横腹部分の表皮がリアルに伸縮するのだ(しかも、まわりの模様にあわせて色や模様が移り変わっていく)。

一歩、歩くごとに横腹の皮膚がリアルに伸縮する
一歩、歩くごとに横腹の皮膚がリアルに伸縮する
よほど細かいモデルかと思うと意外と大ざっぱなのに驚かされる
よほど細かいモデルかと思うと意外と大ざっぱなのに驚かされる
ミラーとなったカメレオンの体の映り込みに注目
ミラーとなったカメレオンの体の映り込みに注目

一方、Pixel Shaderは、陰影を持ち、かつ有機的でリアルな表面テクスチャーの表現を可能にする機能だ。例えばこの毛むくじゃらの犬のぬいぐるみは光源をマウスで自由に移動して、微妙な陰影の変化を楽しめる。

光源を動かすと、それにあわせて微妙な陰影の変化が楽しめる
光源を動かすと、それにあわせて微妙な陰影の変化が楽しめる。もちろん、視点をグリグリ動かすことも可能だ

なお、同GPUはまず3月の後半からPower Mac G4向けのBTOオプション(あるいは追加購入キット)として発売される。価格は6万8000円だ。GeForce 3が次に大々的にデモされるのは26日からサンノゼで開催されるIntel Developer Forumになるとのことだった。

nVIDIAロゴを使ったデモ
nVIDIAのロゴが掘られたこの銀紙のような物体が、周囲の物体を反射しながらマウス操作で旗のようになびく
惑星の表面に隕石が落ちてくるデモ
惑星の表面に隕石が落ちてくると、一瞬、衝撃波による空気のうねりが伝わってくるのが見える。もちろん、このデモもリアルタイムでレンダリングされている
画面のデモはいずれもWindowsパソコンによるもの

(林 信行)


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