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本選に向け、ICANN理事候補者の確定間近!!


2000年9月7日

(社)日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)国際関係検討部会は6日、都内で第7回“インターネット・ガバナンスに関する研究会”を開催した。10月1日から10日に行なわれる一般会員の理事選挙を控え、候補者を“At Large”と呼ばれる一般会員に紹介し、投票の参考にしてもらうのが主な目的だ。

理事の候補者は選出方法により、2種類に分類される。ひとつは、ICANNの指名委員会が確定した候補者(指名候補者)。指名候補者は、世界で18人、そのうちアジア太平洋地域からは4人が、8月1日に決定している。

もうひとつは、“Member-Nomination”(会員推薦)による候補者で、世界で163人、アジア太平洋地域から24人が立候補しているが、こちらは一般会員による予備選挙のようなものを経て、正式な候補者になれる。会員は8月15日から9月8日までに、どの候補者を支持するか、ホームページ経由で表明することになっており、ここで一定の支持数を集めたMember-Nomination候補者が、指名候補者とともに10月の選挙に出馬できる。選挙では、一般会員の投票を経て、5人の新理事が選出される。

日本で立候補しているのは、指名候補として加藤幹之氏。Member-Nomination候補としては、井田昌之、服部順治、松本幸花の3氏だ。会場には、加藤氏と服部氏が登場、理事選挙に向け、自己紹介や抱負を語った。なお他の候補者については、声はかけたが日程があわなかったと主催者は説明している。

理事候補の確定を8日に控え、2人の候補者が挨拶

加藤氏は、富士通(株)のワシントンD.C.駐在員事務所長。電子商取引や通信関連の国際会議において、司会やスピーカーとして活発に活動中だ。加藤氏の講演主旨は次のとおり。

「民間主導の国際組織のICANNは、21世紀に向けた新しい国際モデルだと考えている。もし、理事になったら次の5つを実行したい。(1)インターネット・ガバナンス研究会のように、意見交換の場を確保し、ICANNをサポートしたい。(2)同様に、アジアから、世界から、ICANNをサポートしていけるようにしたい。(3)アメリカのICANN本部と、コミュニケーションの向上を図りたい。(4)ICANNを非営利の独立組織として維持し、拡大していきたい。(5)ICANNでもすでに言われていることだが、選挙制度を見直したい」

加藤幹之氏。富士通のワシントンD.C.駐在員事務所長

服部氏は、コンピューター関連のエンジニアとして約20年の経歴を持つ。オンブズマンネットワーク(行政に対する市民の監視ネットワーク)など、ボランタリベースの地域活動を行なっている。講演主旨は次のとおり。

「Yahoo!JAPANのホームページにおける“会員登録して日本人理事をICANNに送り込まなければ、日本は世界に取り残される”といった内容の宣伝文句を疑問に思い、立候補した。最初は、これまで自分がやってきたボランティアの延長程度と考えていたが、ICANNの理事の仕事が予想以上にハードであること、年に4回米国での会議に参加する必要があるなど、一般の会社員が理事になるのは、経済的にも無理があると感じている。予備選挙は9月8日で締め切られるが、今の状況では、自分が正式候補になれる可能性はない。3人の中で一番高い支持を得ている松本幸花さんなら、あともう少しの支持数で、正式の候補になれるので、一般市民の立場から応援している」

服部順治氏。コンピューター関連のエンジニアとして約20年の経歴を持つ

なおMember-Nomination候補者が、正式な候補者になるための条件とは、オンラインを通じて、立候補する地区から2つ以上の国より、有効な一般会員の2%又は20名以上の支持を9月8日までに集めることである。

多くの日本人が登録している割に、運用上での発言が少ないのは問題

以下、会場からの質疑と応答を紹介する(敬称略)。

――新ドメイン名の展開についてどう考えているか?

加藤「今のところ、決定打と呼べる解がない。一般論としてはドメインネームは誰でも自由に使えるのが一番いい。しかし、ある会社のドメインを(悪意をもって)先に取得してしまう“サイバースクワッティング”と呼ばれる問題などがあるので、ある程度の国際的なルールが必要だろう」

服部「自由で、かつ安く取得できるのが一番いいだろう。gTLDなどに関して話し合う場をホームページに開設し、民主的なプロセスで決定できればいいのではないか」

――日本では会員が多数いるのにも関わらず、ドメインの問題でgTLDに関しての意見を会員から求めても、なかなか出てこない。本当にみんな関心があるのか。ICANNではどのように活動を広げていけばいいと考えているか?

加藤「ICANNで何が話し合われているのか、それを(英語だけでなく)日本語でお知らせしていくのは、今後の課題だ。みんなで努力していくしかない」

服部「会員全員のメールアドレスは分かっているので、それに対する日本語のメーリングリストを作る。また、朝日新聞など既存メディアで、ICANNの活動を取り上げてもらうといった方法が考えられる」

――日本でこれまで行なわれている組織的な集票活動についてどう思うか?

加藤「今回の選挙では、いろいろな試行錯誤がある。今後、選挙制度を変えていく必要があるだろう。現状では、多くの日本人が会員登録している割に、ICANNの運用上での発言が少ないので問題だ。多くの登録があった分、今後ICANNに多く貢献できれば、(他国から)評価されるのではないか」

服部「ICANN本体は、公平な選挙活動を努めてきたと思うが、選挙を広めていく段階で、国や企業の意向が強く働くようになってしまったと感じている」

なお、各候補者については、以下のURLでも公開されている。

(若菜麻里)


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