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米アルテラ、65nmプロセスのFPGA“Cyclone III”ファミリーを発表


2007年3月20日

米アルテラ社は19日(現地時間)に、低コスト化を図ったFPGA(Field Programmable Gate Array)の新デバイスファミリーとして、65nmプロセスの“Cyclone III”ファミリーを発表した。ロジックエレメント(LE)やメモリー、乗算器の数などの違いにより8デバイスをラインアップする。サンプル出荷は既に開始されており、2007年第3四半期に8デバイスのうち『EP3C25』の量産出荷を開始する。2007年末までに全ファミリーの量産出荷を開始する予定。

記者説明会で公開された“Cyclone III”のダイのプロトタイプ
記者説明会で公開された“Cyclone III”のダイのプロトタイプ

“Cyclone III”は台湾TSMCの低消費電力タイプ(Low Power)の65nmプロセスを採用したのが特徴。電流が流れていないときに使用されないI/Oバンクの電源を切るホット・ソケッティング(活線挿抜)もサポートする。消費電力を従来ファミリー“Cyclone II”の約半分に抑えながら、LEと乗算器の個数を最大約2倍、メモリーの容量を最大約3倍搭載するという。ダイサイズと基板の面積を縮小できる“スタッガードI/Oリング”を採用し、コストの削減を図っている。

LEの集積度は5136個から11万9088個で、クロック周波数260MHzで動作するDSPアプリケーション向けの18×18マルチプライヤー(乗算器)を23個から288個搭載する。メモリーは最大3.9Mビットを搭載する。外部メモリーインターフェースはDDR/DDR2/SDR SDRAM/QDRII SRAMをサポートする。インターフェースはLVTTL、LVCMOS、SSTL、HSTL(High-Speed Transciever Logic)、PCI Express、LVPECL、mini-LVDS、RSDS(Reduced Swing Differential Signaling)、PPDS(Point-To-Point Differential Signaling)、最大875MbpsのLVDSなどをサポートする。

デバイスのラインアップは、『EP3C5』(LE数が5136個、乗算器が23個、メモリーが0.4Mビット)、『EP3C10』(LE数が1万320個、乗算器が23個、メモリーが0.4Mビット)、『EP3C16』(LE数が1万5408個、乗算器が56個、メモリーが0.5Mビット)、『EP3C25』(LE数が2万4624個、乗算器が66個、メモリーが0.6Mビット)、『EP3C40』(LE数が3万9600個、乗算器が126個、メモリーが1.1Mビット)、『EP3C55』(LE数が5万5856個、乗算器が156個、メモリーが2.3Mビット)、『EP3C80』(LE数が8万1264個、乗算器が244個、メモリーが2.7Mビット)、『EP3C120』(LE数が11万9088個、乗算器が288個、メモリーが3.9Mビット)の計8種類。パッケージは最大ユーザーインターフェース数(デバイスによって異なる)と寸法の違いにより“E144”“Q240”“F256”“U256”“F324”“F484”“U484”“F780”の8種類をラインアップする。

価格はデバイスが『EP3C5E』、パッケージタイプが“E144”、スピードグレード(同じデバイスの中での相対的な速度を表す基準)が“C8”の『EP3C5E144C8』の50万個製造時の単価が4ドル(約470円、アメリカでの販売価格)となっている。

記者説明会には日本アルテラ 代表取締役社長の日隈寛和(ひぐま ひろかず)氏、米アルテラ ブロードキャスト、オートモーティブ、コンシューマ・ビジネス ユニット担当バイスプレジデントのティム・コレラン(Tim Colleran)氏が出席した。

日本アルテラ 代表取締役社長の日隈寛和氏
日本アルテラ 代表取締役社長の日隈寛和氏

はじめに日隈氏が挨拶を行ない、「我々は“Cyclone”シリーズを日本市場で重要な製品として取り扱ってきた。2002年に発表した第1世代の“Cyclone”は、日本で強いデジタル・コンシューマーの分野で多く採用され、2004年に発表した第2世代の“Cyclone II”は“Cyclone”に比べ低コスト、低消費電力、高い集積度を実現し、新しいマーケットに参入することができた。そして“Cyclone III”によってデジタル・コンシューマーのマーケットに加え、新たなポータブル機器やあらゆるネットワークアクセス機器など、さらに新しい応用用途、新しいマーケットに参入できると考えている」と語った。

米アルテラ ブロードキャスト、オートモーティブ、コンシューマ・ビジネス ユニット担当バイスプレジデントのティム・コレラン氏
米アルテラ ブロードキャスト、オートモーティブ、コンシューマ・ビジネス ユニット担当バイスプレジデントのティム・コレラン氏

続いてコレラン氏が“Cyclone III”の概要を説明した。コレラン氏は“Cyclone III”の用途について語り、「従来“Cyclone”シリーズが採用されてきた液晶ディスプレーの分野においては、“Cyclone III”ではプログレッシブ方式のフルハイビジョン向けに最適化された。タイミングコントロールやリージョンコントロールに対応したほか、メモリーが拡大され、アクセスも高速化されている。DSPも高度になった。ビデオ画像を速くプロセスチップに持ってこられるメモリーインターフェースも備えている」とした。また携帯電話機の小型基地局や、ソフトウェアを書き換えることで出力/周波数/変調方式などが異なる複数の無線通信手段に1台の無線機で対応する無線機“ソフトウェア無線機”、ビデオ監視システムなどにおいてもASIC(Application Specific Integrated Circuit)やDSP(Digital Signal Processor)との置き換えが可能になったと述べた。

コレラン氏が示した“Cyclone”シリーズの利用用途。“Cyclone III”は1080pに対応するほか、新たな分野にも利用可能という
コレラン氏が示した“Cyclone”シリーズの利用用途。“Cyclone III”は1080pに対応するほか、新たな分野にも利用可能という

併せて米アルテラは、“Cyclone III”に対応した開発ツール『Quartus II Version 7.0』を同日付けで提供開始すると発表した。ソフトウェア・サブスクリプション契約を結んでいる顧客向けに提供する有償の『サブスクリプション版』と無償でダウンロードできる『Webエディション』の2種類をラインアップする。 対応OSはWindows XP/2000、Windows XP Professional x64 Edition、Solaris 8/9、Red Hat Enterprise Linux 3.0/4.0、SUSE Enterprise Linux 9。また開発キット『Cyclone III FPGA スタータ開発キット』を発売する。価格は1万9000円(9月14日までのプロモーション価格)。

『Cyclone III FPGA スタータ開発キット』のFPGAボード
『Cyclone III FPGA スタータ開発キット』のFPGAボード

(編集部 若林健太)


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