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ディスプレイテックなど4社、反射型反強誘電性液晶マイクロディスプレイの製造・販売に関する提携を発表


1999年9月20日

AFLCD製品展開の第一歩
マイクロディスプレイを手がける米ベンチャー、ディスプレイテック(Displaytech, Inc.)と、日米のヒューレット・パッカード(HP)、および日商エレクトロニクスの4社は、20日都内でマイクロディスプレイ製品の販売事業で提携することを発表した。

日商エレクトロニクス 取締役 電子機器事業部長 佐竹清志氏
日商エレクトロニクス 取締役 電子機器事業部長 佐竹清志氏



ヒューレット・パッカード マイクロディスプレイ事業部総支配人 Alan Marty氏
ヒューレット・パッカード マイクロディスプレイ事業部総支配人 Alan Marty氏



ディスプレイテック CEO Haviland Wright氏
ディスプレイテック CEO Haviland Wright氏



このマイクロディスプレイは、反強誘電性液晶を利用したもので、画面対角0.19インチから、最大1インチ程度のものまで製品化される予定となっている。小型ながら高精細、高フレームレートで低消費電力なのが特長で、ビデオカメラやデジタルカメラのビューファインダー、プロジェクタなどの用途に向いている。ディスプレイテックは、世界に先駆けてその製品化に成功し、HPと共同で製品開発・マーケティングを進めている。ディスプレイテックが主に液晶材料を開発・製造し、HPは半導体部分を担当している。日商エレクトロニクスは、両社のマイクロディスプレイ製品すべての、日本国内での販売、サポートを行なう。なお、HPの分社化に伴い、マイクロディスプレイ部門はアジレント・テクノロジーの1部門となっているが、今回は便宜上HPと表記している。

なお、製造は精密工業製品製造大手のミヨタ(ミヨタ(株) 長野県北佐久郡御代田町)が担当するという。

※反強誘電性液晶とは リリースでは「FLCD」となっているが、一般にはAnti-Ferroelectoric Liquid Crystal Displayの略で、「AFLCD」と表現することが多い。一般的なTN(Twisted Nematic)液晶とは異なり、電界に対する応答性や、電界を解除した際の戻り特性が優れているため、高速な画面書き換えが可能だ。また、IPS(In-Plain Switching:光軸に対して垂直方向に分子が回転すること)を用いるため、横電界の影響が少ない。つまり、画素が接近しても干渉しにくい。ただし、反強誘電性液晶材料の開発は難しく、日本でも数社が開発を進めているが、まだ製品化には至っていない。一方、電界を解除しても分子が回転したままになる強誘電性液晶(FLCD)は、大画面で高精細な直視型ディスプレイに向いている。キヤノンが製品化したが、コストがかかりすぎたなどの理由で撤退しており、現在では手がけているメーカーはない。

高画質で安価な小型ディスプレイ
1インチ前後の小型ディスプレイは、さまざまな方法で実現されている。ソニーなどは高温Poly-Si TFTを用いた透過型だが、駆動素子を組み込んだSiチップ上に液晶を載せた反射型LCDは半導体と製造工程が近く、微細化が容易なので米国でも数社が手がけている。また、テキサス・インスツルメンツ(TI)のDMD(Digital Micromirror Display)は、同じく半導体の上に造り込んだマイクロミラーを用いた反射型だが、液晶より応答速度が速く、動画に強いプロジェクタとして評価が高い。

『HMW3-0076』
『HMW3-0076』



ディスプレイテックのマイクロディスプレイは、Siチップ上にCMOS駆動回路を設けるのは同じだが、反強誘電性液晶の高速応答性を活かし、RGBの各色を時分割で表示するようにしている。このため、色を出すためのカラーフィルターが不要になり、高い開口率(=同じ光源ならより明るい)を実現した。また、3原色の光源にLEDを採用し、低い消費電力と高い色純度を達成している。

製品仕様(HMW3-0076)

解像度 QVGA(320×240ピクセル)
パネルサイズ 対角0.19インチ(4.83mm)
ピクセルピッチ 12.0μm
開口率 88%
色数 約1670万色(256階調)
フレームレート 60〜90Hz
輝度 100nits以上
コントラスト 50:1以上
駆動電圧 5V(パネル3.3V)
消費電力(ユニット) 100mW以下
I/F 8bitデジタル
外形寸法(ユニット) 14.1×15.8×10.2mm
重量 1.7g
動作温度 0度〜50度C
保存温度 -30〜70度C


※光源は3色ワンパッケージのLED

DVDの再生デモ
DVDの再生デモ



マイクロディスプレイの応用製品としては、ビデオカメラやデジタルカメラのビューファインダー、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクタなどを想定しており、またPDAについても、「低消費電力という特長を活かし、ウェアラブルコンピュータのような面白い製品が期待できる」(日商エレクトロニクス 取締役 電子機器事業部長 佐竹清志氏)としている。

静止画ビューアのサンプル
静止画ビューアのサンプル



静止画ビューア
静止画ビューア



ミヨタの戦略

製造を担当するミヨタはシチズン時計の子会社で、腕時計ムーヴメントや水晶振動子のほか、CRT方式のビューファインダーやLCDのバックライトなどを製造している。ビューファインダーでは40パーセント強のシェアを持つ大手メーカーで、大きな販路を求めるディスプレイテックと新デバイスを求めるミヨタの利害が一致した形で、製造業務提携が行なわれた。ミヨタではすでに12億円あまりの初期投資を開始しており、現在は単なる組み立て工程だけだが、2000年春頃には液晶注入工程、同年夏にはSiチップ以外すべての工程を担当することになる。当初月産キャパシティは約20万台で、さらなる能力向上も検討している。

ミヨタ 常務取締役 大矢頼武氏
ミヨタ 常務取締役 大矢頼武氏



発表後に直接聞いた話では、ミヨタはビデオカメラ用ビューファインダーとしてマイクロディスプレイを販売する権利があるという(ミヨタ 常務取締役 大矢頼武氏)。今回の提携で、最もリスクを負う同社だが、しっかりとチャンスもモノにしていた。

(ケイズプロダクション 岡田靖)


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