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エヌジーシー、3次元入力デバイスとモデリングソフトがセットになった『ClayToolsシステム』を国内で販売開始――ゲーム/CG制作用途を視野に


2005年6月2日
『ClayToolsシステム』付属の触感インターフェース『Phantom Omni』。3次元の動きを感知できるほか、触感再現のためのフォースフィードバック機能も備える
『ClayToolsシステム』付属の触感インターフェース『Phantom Omni』。3次元の動きを感知できるほか、触感再現のためのフォースフィードバック機能も備える

(株)エヌジーシー(NGC)は2日、米SensAble Technologies(センサブルテクノロジーズ)社の3次元モデリングシステム『ClayToolsシステム』を、日本国内で販売すると発表した。ClayToolsシステムは、オートデスク(株)の3Dモデリングソフト『3ds max』用のプラグインとして動作する。価格は39万8000円。

ClayToolsシステムを開発するSensAble Technologiesは、もともと米マサチューセッツ工科大学の研究成果を元に設立されたベンチャー企業で、フォースフィードバックの技術を応用した学術研究分野へのデバイス供給を行なっていたほか、ClayToolsと似たような、より精度の高い産業用の3Dモデリングシステム『FreeForm』などを販売しているという。ClayToolsシステムはそのノウハウを活かし、より低価格で3次元入力・フォースフィードバックのモデリングシステムを構築したものだ。

SensAble Technologiesのポートフォリオ。MITで開発されたフォースフィードバック技術を中核技術とする
SensAble Technologiesのポートフォリオ。MITで開発されたフォースフィードバック技術を中核技術とする

ClayToolsシステムは、以下の製品で構成されるデジタルクレイソフトである。クレイとは粘土の意味で、コンピューター上で粘土をこねて立体物を造型するかのように、3次元モデルデータを作成できるのがデジタルクレイソフト、というわけだ。

     
  • 『Phantom Omni』 フォースフィードバックシステム
  •  
  • 『ClayTools』 デジタルクレイソフトウェア
  •  
  • 『HapticExtender/MX』 3ds max用プラグインソフト

ClayToolsによるCG制作を実演した、CGアーティストのデイブ・キング氏
ClayToolsによるCG制作を実演した、CGアーティストのデイブ・キング氏
右手でペンを握り、空中で絵を描くように操作する。ボディー下部の青いホールは、ペンの差し込み口で、未使用時に差し込んでおくほか、ペン位置のキャリブレーションにも使用する
右手でペンを握り、空中で絵を描くように操作する。ボディー下部の青いホールは、ペンの差し込み口で、未使用時に差し込んでおくほか、ペン位置のキャリブレーションにも使用する

Phantom OmniはClayTools専用の3次元入力デバイスで、パソコンとはIEEE 1394経由で接続される。外見上は小さなクレーン状のアームの先にタブレット用のペンが装着されたような姿をしている。ペンの握りの部分には、マウスの左右ボタンの代わりになるボタンが2つついている。オペレーターがペン部分をペンや筆のように握って空中で動かすと、3次元の動きが読み取られて、ClayTools上でそのとおりペンが動き、チューブから出てくる粘土を盛りつけていくようにモデルデータを作ったり、ヘラで粘土を削るようにモデルデータを削ったりできる。フォースフィードバック機能を搭載しているため、オペレーターの手に物や紙の質感を仮想的に伝えることも可能だ。ただしPhantom Omniは対応アプリケーションでしか使用できず、たとえばマウスの代わりにWindowsを操作することはできない。

ClayToolsでは盛りつけるペンの太さを自由に変えたり、データのコピーや左右反転、グループ単位での操作など、モデリングソフトに必要とされる機能はひととおり揃っている。用法としては、ペンの太さを大きくしてモデルの大まかな形状を作り、ペンを細くしていくことで、細部の形状を作り込んでいくといった使い方になる。また2次元の線画像や画像データを、その形状のまま厚みを付けるような形で立体化する機能もある。作成したデータは他の3D CGソフトやCADソフトでも扱えるように、OBJ、STL、IGESなどのフォーマットで出力可能となっている。HapticExtender/MXは、ClayToolsシステムを3ds maxから利用するためのプラグインである。これを利用すると、たとえばペンの動きを記録して、3Dデータをその動きどおりにアニメーションさせる“簡易モーションキャプチャー”といった使い方も可能となっている。

エヌジーシーではClayToolsシステムの特徴について、直感的で習得も容易なシステムによる“クイックモデリング”と、デジタルクレイの精度を上げることで、微細な表現も可能になる“高精細モデリング”を特徴として挙げている。ClayToolsで作成したCG用データを、フィギュアやミニチュア作成用のCADデータとしてそのまま利用する、といった使用法も想定されるという。実際にデモを行なったオーストラリア在住のCGアーティスト、デイブ・キング(Dave King)氏は、正味20分程度で何もない状態からデジタルクレイを盛りつけて、SF映画に出てきそうなクリーチャーを作り上げてみせた。ClayToolsに習熟したアーティストによるデモとはいえ、作られた筋肉質のクリーチャーはそのままゲームのムービーシーンにでも使えそうな出来映えで、ClayToolsの優れた生産性を示していた。

デモンストレーションで作成したクリーチャーに手を加えるキング氏(左)
デモンストレーションで作成したクリーチャーに手を加えるキング氏(左)
クリーチャーの頭部部分。このほかに胴体や手足も存在する。これだけのものを20分程度で作れてしまうのは驚きだ
クリーチャーの頭部部分。このほかに胴体や手足も存在する。これだけのものを20分程度で作れてしまうのは驚きだ

同社ではClayToolsシステムを、ゲーム制作スタジオやCG制作スタジオなどをターゲットに販売活動を行なうとしている。製品構成は前述の3製品に加えて、ドライバーソフトや1年間のサポートが含まれる。またPhantom Omniを使ったオリジナルアプリケーションを制作するためのソフトウェア開発キット(SDK)も、別途提供される。対応OSはWindows XP/Windows 2000(SP3/SP4)。CPUは2GHz以上のPentium系、1GB以上のメモリーを推奨環境としている。またOpenGL対応のグラフィックスカードと、IEEE 1394インターフェースも必要となる。

(編集部 小西利明)


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