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【COMMUNET'99 Vol.4】Enterprise Java BeansとLinuxに期待――“COMMUNEセミナー”&“Linuxエグゼクティブセッション”


1999年9月20日


14日より大阪南港ATCホールにて開催された“COMMUNET'99”。今回は最終日に行なわれた、“COMMUNEセミナー”と“Linuxエグゼクティブセッション”をそれぞれ紹介する。

“エンタープライズアプリケーションから情報家電まで”と題されたセミナーでは、javaを中心とした最新のネットワークテクノロジーを紹介した。まずはじめに、ウェブベースの本格的なシステムを開発している(株)イーシー・ワン副社長の最首英裕氏が、サイト構築に必要な技術とその動向を、同社の開発システム事例紹介を交えながら紹介した。

イーシー・ワンの最首氏は、ネットテクノロジーとしてのEJBの可能性を具体的な事例と共に紹介
イーシー・ワンの最首氏は、ネットテクノロジーとしてのEJBの可能性を具体的な事例と共に紹介



目的に合わせたスケーラブルなシステムを構築できるEJB
同社の分析によると、トランザクション(アクセス頻度)の増加に合わせて半年ごとにリニューアルする大手サイトが増えているが、こうした問題は安易な取り組みや基本設計の甘さによって生じるものと指摘する。表面的な改善はできるが、結果的に果てしないスクラップ&ビルドが続き、同社が“悪魔のシナリオ”と呼ぶ状態、すなわち最終的なシステムの破綻につながる場合も少なくないという。

最首氏は「今やサイトは、経営+ITによって経営そのものを支援するという重要な位置を占めつつある。目的に合わせたスケーラビリティーを備えるシステム構築が必要であり、そうした需要に応える設計技術が求められている」と語る。そうした技術提供を打ち出している同社が注目している開発ツールがEJB(Enterprise Java Beans)である。EJBは信頼性が高く、アマゾンコムをはじめ、金融、流通、製造などの分野で軒並み支持を得ているという。また、ジャストシステムが『一太郎』をjavaで開発するなど、プログラム開発の分野でもjava化が進む傾向にある。

「当社の開発体制は、プログラマーがビジネスロジックを開発し、それをベースに管理システムを構築するというもの。事例を挙げると当社が手がけた矢崎総業のシステムは、'98年5月から9月に掛けて基本設計を行ない、同年12月からのカットオーバーを果しているが、トラブル知らず。EJBは新機能が追加しやすく、コンポーネントの再利用ができるのでプログラミング率も下がり、作業効率が高い。その他にも現在構築中のECサイトでは、スマートEJBを採用したり、EJB+VOIP(VoiceIP)を組み合わせたコールセンターの開発実験など、将来性も大いに期待している」

javaを解説するサン・マイクロシステムズの関谷氏
javaを解説するサン・マイクロシステムズの関谷氏



成長スピードが早いLinuxマーケット。メーカー各社によるLinux路線は?

午後から行なわれた“Linuxエグゼクティブセッション”では、日本Linux協会の岡田良太郎氏をコーディーネーターに迎え、コンパックコンピュータ、日本アイ・ビー・エム、日本オラクル、インフォミックスの4社が、それぞれのLinux路線を紹介した。

Linuxエグゼクティブセッションの司会進行役は日本Linux協会の岡田良太郎氏がつとめた
Linuxエグゼクティブセッションの司会進行役は日本Linux協会の岡田良太郎氏がつとめた



まずコンパックの古川勝也氏は、Linux市場そのものは2001年ごろブレイクすると分析する。また、「メーカーの参入が本格化する一方で、エンジニア不足が懸念される。また、メーカーとしてはパフォーマンス保証の確立や、組み込み式製品の開発が求められるだろう」と語った。

「Linuxの技術者を増やすには資格作りなども必要」と語るコンパックの古川氏
「Linuxの技術者を増やすには資格作りなども必要」と語るコンパックの古川氏



京都産業大学への大規模なLinux導入事例を持つ日本アイ・ビー・エムの松田英典氏は、開口一番「Linuxの問題は著作権が明確でないところにある」と言い切る。「オープンソースもいいが、訴訟問題になった場合どうするのか本気で考えていれば、企業が参入に腰が引けるのは当たり前。同社も検証はできるが、保証はできない状態。Linuxそのものがそういう製品なのだ。それを踏まえた上で、我々はお客さまと一緒に走り続けていく」

日本アイ・ビー・エムの松田氏は大規模な導入事例をはじめ今後のLinux戦略を紹介
日本アイ・ビー・エムの松田氏は大規模な導入事例をはじめ今後のLinux戦略を紹介



OSの選択肢があることが重要
続いて日本オラクルの宮原徹氏は、Linux製品の安定性の高さを強調。今後、NT中心のサーバー市場に一石を投じるであろうと語る。データによるとLinuxは'98年には212パーセントの成長率で、サーバーOSの17パーセントを獲得。2003年までの年平均伸び率も25パーセントと、他のサーバー用OSが12パーセントなのに対して驚異的な数字であると予測している。「Linux導入の最大メリットは安定性とメンテナンス性の高さによるコスト削減である。だからといって、Linux一色にせよというのではなく、複数サーバーによるクラスター構成が望ましい。また、そうしたサーバーOSを問わない製品開発も進められている」――。

日本オラクルの宮原氏は新製品『Oracle8i』などを含めた今後の展開をわかりやすく解説
日本オラクルの宮原氏は新製品『Oracle8i』などを含めた今後の展開をわかりやすく解説



最後にデータベース構築からインターネットソリューションへの移行を進めているインフォミックスの塩津正人氏は、今のNASDAQは、インターネットやウェブがらみのビジネスでないと株価が上がらない状態、特に成長スピードが早いLinuxマーケットに対し、いち早い取り組みが必要と語る。

同社ではウェブ戦略を“i.Economy”とネーミングしている。大規模なECを構築する“i.Sell”の開発など、大手よりも一歩先を行くビジネスアーキテクチャーの開発を行なっている。これらはマルチプラットホームでの開発だが、Linuxの仕様が固まり次第移植されるということだ。塩津氏は「サーバー開発などにおいて、Linuxという選択肢があるのはとても大切なこと。そのためにももっとLinuxが普及するよう、企業としても支援していきたい」とセッションを締めくくった。

アメリカでの戦略などを交えながら、Linuxおよびウェブビジネスについて幅広い話を展開。セッションを最後まで盛り上げたインフォミックスの塩津氏
アメリカでの戦略などを交えながら、Linuxおよびウェブビジネスについて幅広い話を展開。セッションを最後まで盛り上げたインフォミックスの塩津氏



≪野々下裕子 younos@pb3.so-net.ne.jp≫ 

・COMMUNET'99 マルチメディア・ライフスタイルin Kansai
 http://www.jma.or.jp/communet/
・イーシー・ワン
 http://www.ec-one.com
・サン・マイクロシステムズ
 http://www.sun.co.jp
・コンパックコンピュータ
 http://www.compaq.co.jp
・日本アイ・ビー・エム
 http://www.ibm.com/jp/linux
・日本オラクル
 http://www.oracle.co.jp
・インフォミックス
 http://www.informix.com

【関連記事】【COMMUNET'99 Vol.1】Linux関連が元気――マルチメディア・ライフスタイル in Kansai開催
 http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/
1999/0916/topi05.html


【COMMUNET'99 Vol.2】セミナー“NCC、ISPなどのキャリア動向とそのインパクト”
 http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/
1999/0916/topi06.html


【COMMUNET'99 Vol.3】セミナー編――ネット社会における学校と教育
 http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/
1999/0917/topi02.html


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