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【インターネットにかける米国企業レポート Vol.3】エンドユーザーに無料で新しいサービスを提供――RealNames、Commtouch Software


1999年9月20日

インターネットにかける米国企業レポートの3回目は、インターネットのスタンダードはそのままに、エンドユーザーにとって魅力のあるサービスを無料で提供し、収入はスポンサーから得るという、エンドユーザーへのサービスをキーにビジネスを展開する2つの企業を紹介する。

RealNames――URLをより簡単に
カリフォルニア州サンカルロスに本社を構えるRealNames社は、この8月に社名をCentraalから、同社の“インターネットキーワード”サービスと同じRealNamesに変更したばかり。

RealNamesのキース・ティアー(Keith Teare)President兼CEO
RealNamesのキース・ティアー(Keith Teare)President兼CEO



このRealNamesが提供するインターネットキーワードサービスは、インターネットで気になる製品の情報を探したいと考えるエンドユーザーにとって頼れる存在になる。サーチエンジンで商品の名前を検索語に指定してウェブをサーチしたことのある方ならお分かりだろうが、自分が見たい商品の内容を示したページ以外に、非常に多くの“ノイズ”ページが引っかかってしまう。さらに、その検索した商品ページも、とても覚えられない非常に複雑なURLになっていることがしばしばある。たとえブックマークやお気に入りに指定していても、変更されたりといったことも少なくない。

RealNamesサービスでは、例えばホンダのアコードのページを見たいと思ったら、“Honda Accord”と指定するだけで済む仕組みだ。RealNamesキーワードシステムが、“Honda Accord”と、ホンダのウェブサイトにある最新のアコードのページを結びつけて、ユーザーはURLを意識することなく目的のページを開くことができる。DNS(Domain Name System)に似た仕組みとして働く形になるが、DNSの動作と異なるのは、キーワードとURLの関係が固定されていないという点だ。RealNamesサービスでは、RealNamesがキーワードと、リンクするURLを管理して、常に“ユーザーにとって正しいページ”が得られるようにしている。

もともとこのサービスは、フランスの電話回線を使った文字情報サービス“ミニテル”において、目的の会社の情報を簡単に探せるようにすることから始まったものだという。ミニテルのシステムでは、すべての情報ページは何桁かの数字の羅列で表されており、ユーザーは目的の情報を表示するために数字を入れなくてはならなかったのを、会社名を入れると、自動的にその会社の数字列に変換するしくみを考えたということだ。

RealNamesサービスのビジネスでは、ユーザーからは料金を取らない。収入はそのキーワードとして検索される製品を持つ企業が払う形になっている。料金体系はいくつかあるが、例えばソニーやディズニーといった、非常に有名なブランドの場合は、そのキーワードをサーチしてRealNamesサービス経由でウェブサイトを訪れたユーザー1人あたりいくら、という設定になっている。そのほか、小規模事業者向けの、1キーワードあたり年間100ドルといったサービスや、限定されたウェブコミュニティーで利用できる、個人向けの無料“My Internet Keyword”といったものも用意されている。

RealNamesサービスは、altavistaをはじめとした多くのサーチエンジンにも組み込まれているので、例えば年間100ドル(約1万500円)でキーワードを登録すると、そのキーワードで検索した結果は、常にトップに表示されるのだという。

このRealNamesサービスの強みは、各企業が新聞やラジオ、テレビで展開し、消費者に覚えさせているブランドが、そのままインターネットで利用できるという点だという。従来はインターネットで自社のサイトに誘導するのに、バナーをあちこちに出したりするなど、従来のメディアとはまったく違った方法をとる必要があったが、それを共通の“ブランド名”で展開できることになる。

このサービスでは、ユーザーのニーズに応える必要から、地域ごとに分けてのサービス展開が必要だが、現在数百万のキーワードを持つ北米に加えて、Infoseekが提携しているドイツのサーチエンジンでまもなく利用できるようになるほか、今年のうちに日本語にも対応する予定という。日本語化にあたっては、リアルネームズコーポレーションジャパンで作業が続けられ、日本企業と提携して発表されることになるが、その提携先の企業名は明かされなかった。

Commtouch Software――無料電子メールシステムを提供
2社目はカリフォルニア州サンタクララにあるCommtouch Software社だ。Commtouchは最近さまざまな企業がサービスするようになった、“登録するだけで自分のメールアドレスが持てる”という無料電子メールシステムを、サービスを始めたい企業に提供する会社。'91年に設立され、'98年から電子メールシステムのサービスを開始した。

Commtouchのイザベル・マクスウェル(Isabel Maxwell)President
Commtouchのイザベル・マクスウェル(Isabel Maxwell)President



Commtouchの提供している電子メールサービスシステムの強みは、ユーザー企業の要求に柔軟に応じることができる点で、特にエンドユーザーが目にするウェブ画面については、ボタン配置をはじめデザインのほとんどを変更できるという。また、統合してサービスできるものは電子メールに限らず、ファクス、ボイスメール、ページャー(ポケットベル)、カレンダー(予定表)、アドレス帳など非常に選択肢が多く、これだけのサービスをウェブベースメールサービスとして統合した形で提供できるのは同社だけだという。

もう1つの強みは強力なパートナー企業を持つことで、中でももっとも大きなパートナーはNTTであるという。また、15日(現地時間)にはスウェーデンのエリクソン社との提携も発表している。

Commtouchが提供するシステムを利用すると、まったくネットワークの経験がない会社でも、いきなり電子メールサービスを開始でき、「どんな企業でも無料電子メールサービスゲームに参加できる」という。

Commtouchのシステムは16ヵ国で実績があり、対応する言語は英語、中国語、日本語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、オランダ語、ロシア語、イタリア語に及ぶ。日本ではgoo(http://www.goo.ne.jp/)やエキサイト(http://www.excite.co.jp/)でも稼動している。

今回紹介した2社では、いずれもインターネットのエンドユーザーが欲しがる魅力的なサービスを、無料で提供できる仕組みを用意している。インターネットがこれからより広く深く浸透するにつれて、これらの会社が提供するサービスにのってくる企業がますます増えてきそうだ。

(編集部 佐々木千之)


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