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【ワイヤレスジャパン2005 Vol.12】PowerVRベースの3Dグラフィックスや山手線の駅名を音声入力できる最新技術デモを展示――ルネサスブース


2005年7月15日

(株)ルネサス テクノロジは、Bluetooth/ZigBee/WiMAX/UWBなどの無線通信用チップや携帯電話向けCPU“SH-Mobile”などを開発している。ワイヤレスジャパン2005の同社ブースには、こうした最新チップに関する情報は出なかったが、SH-Mobileを採用する企業同士の連携活動“SH-Mobileコンソーシアム”(2003年10月設立、現在200社余りが参加し、年内に300社を超える予定)から、参加企業が現在開発中の最新技術デモが披露された。

エイチアイの『Mascot Capsule Engine Micro3D Ver.4』のデモ
エイチアイの『Mascot Capsule Engine Micro3D Ver.4』のデモ。中央上に見える小さな四角がSH-Mobile 3

(株)エイチアイの『Mascot Capsule Engine(マスカットカプセルエンジン) Micro3D Ver.4』は、SH-Mobile 3と組み合わせて利用できる3Dグラフィックス描画エンジンで、M3G/OpenGL ESのAPIに対応する。フォグやマルチテクスチャーなど、表現力の向上に主眼を置いた3D描画エンジンで、デモでは正確なパースで描かれたビリヤード台をカメラがぐるりと回りこみながら表示するシーンをリアルタイム表示していた。

英イマジネーションテクノロジーズ(Imagination Technologies)社は、かつてパソコンや家庭用ゲーム機のグラフィックスアクセラレーターとしても採用された“PowerVR”アーキテクチャーの携帯電話/モバイル機器向けハードウェアジオメトリ&グラフィックスエンジン“PowerVR MBX Lite”を開発。毎秒100万ピクセルの演算処理能力を持ち、QVGA(240×320ドット)で毎秒30フレームの描き換えが可能。3D APIはOpenGL ES 1.0/1.1をサポートする。会場では、(株)ナムコの著名な3Dレースゲーム『リッジレーサー』を連想させるような高速道路をスポーツカーが軽やかに疾走するシーンを滑らかに表現していた。



イマジネーションテクノロジーズのPowerVRアーキテクチャー採用3Dグラフィックスエンジンを使ったデモ
イマジネーションテクノロジーズのPowerVRアーキテクチャー採用3Dグラフィックスエンジンを使ったデモ。256KBのビデオメモリーが搭載されているという

実用的なところでは、インサイト インターナショナル(株)が携帯電話向けの“PictBridge(ピクトブリッジ)ソリューション”を提案している。現状でも赤外線通信機能を使ってパソコンレスの印刷は可能だが、デジタルカメラの撮像素子が200万画素、300万画素と向上してくると、データ転送に待たされる。それを解決するために、USB接続でのダイレクトプリントの統一規格“PictBridge”を提案しているのだという。ただ、会場では設置スペースの都合でプリンターが置けなかったため、基板上のカメラが一定間隔で撮影した画像をPictBridgeのプロトコルで転送していることを示す“ロゴマークの表示”しかできなかったのが残念、と説明員は語った。

インサイト インターナショナルが展示した携帯電話向けの“PictBridgeソリューション”
インサイト インターナショナルが展示した携帯電話向けの“PictBridgeソリューション”
松下電器産業 パナソニックソフトモジュールカンパニーが出展したモバイル向け音声認識エンジン“LiteSpeech”
松下電器産業 パナソニックソフトモジュールカンパニーが出展したモバイル向け音声認識エンジン“LiteSpeech”。会場のデモでは山手線の駅名だけに限定していたが、認識率は確かに高い

最近はGPS(グローバルポジショニングシステム、衛星による位置情報検出機能)を搭載した携帯電話も増えているが、松下電器産業(株)のパナソニックソフトモジュールカンパニーが出展した“LiteSpeech(ライトスピーチ)”は、これを音声入力で操作しようというもの。デモでは山手線の駅名を辞書にもつシステムが使われ、マイクに向かって駅名をしゃべると、ほぼ正確に認識結果を出力(画面に表示)していた。LiteSpeechの特徴は、認識エンジンが50KBとコンパクトで、動作に必要な演算処理能力も30MIPS以下と低く、GPSのような演算処理の多いアプリケーションと組み合わせても携帯電話のCPUで十分実用的に使えることだという。実際、音声認識は携帯電話の10キーで文字入力する手間がなく、イヤホンマイクなどと組み合わせれば両手を空けて目的地/経由地の入力ができるなど、メリットが多い。今後搭載した製品の登場に期待したい。


ゲームケータイ『IM8300』
韓国SK Teletech社/SK Telecom社のゲーム好きに向けた携帯電話、ゲームケータイ『IM8300』

最後に、韓国で実際に販売されているという、SH-Mobile搭載モデルで「やりすぎちゃったもの(笑)」(説明員)として展示された2つの携帯電話を紹介しよう。ひとつは、韓国SK Teletech社/SK Telecom社の『IM8300』で、ゲームに特化した携帯電話だという。画面を横にしてカーソルキーと画面上(横向きに場合は右)に並ぶ2つのボタンで、3Dシューティングゲームやレースゲームなどをデモンストレーションしていた。ゲームのアイデア自身は、どこかで見たことのありそうなものだが、画面の動きは軽快で、スライドする10キーをしまった状態で遊んでいると、まさに小型ゲーム機のようにも見える。

韓国Pantech&Curitel社/LG Telecom社の『PH-L4000V』
ビデオカムコーダーに携帯電話機能を載せた? 韓国Pantech&Curitel社/LG Telecom社のビデオケータイ『PH-L4000V』
210万画素の撮像素子と2倍のデジタルズームを搭載
210万画素の撮像素子と2倍のデジタルズームを搭載し、前面にはビデオライトと赤外線通信端子も備える

もうひとつは、ビデオカムコーダーに携帯電話機能を載せた?(携帯電話のほうがオマケじゃないの?) と言いたくなるような、韓国Pantech&Curitel社/LG Telecom社の『PH-L4000V』。210万画素の撮像素子と2倍のデジタルズームを搭載し、液晶パネルを開いた内側に通話やダイヤルなどの操作ボタンが並ぶ。ハンディータイプのカムコーダーとしては一般的なデザインながら、携帯電話としてはちょっと操作しづらい(突起部が耳やこめかみに当たりそうな)印象だった。会場の説明員によると、「韓国ではハンディービデオの種類が少なく、売っていても高いため、画質を追求するよりも(子どもの運動会を撮って見るなら)携帯電話で撮れるならそれでいい、という声が多く、携帯電話になんでも詰め込む傾向にある。日本では考えられないですけどね」と話していた。

(編集部 佐久間康仁)


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