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マイクロソフト、設計/開発者向け技術カンファレンス“Microsoft Developers Conference 2006”を開催――Windows Vista/Office“12”に向けた動きが本格化へ


2006年2月3日

マイクロソフト(株)は2日、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜において、ソフトウェア/情報システム/ウェブサイトなどの設計/開発者向け技術カンファレンス“Microsoft Developers Conference 2006”を開催した。会期は3日までの2日間。開催初日となるこの日の基調講演では、2006年末に登場予定の新OS『Windows Vista』や、次期Office“12”のプレビューが公開された。2005年に国内で開催されたマイクロソフトの大規模カンファレンスでは、主なテーマとしては64bit版のWindows XP/Windows Server 2003や、SQL Server 2005、Visual Studio 2005が中心に取り上げられ、次期OS/Officeに関する話題は少なかった。発売まで1年を切り、いよいよ国内カンファレンスでもWindows Vista/次期Officeが話題の中心となっていく。

米マイクロソフト社 コーポレートバイスプレジデントのサンジェイ・パラササラシー氏。Windows Vista、Office“12”の登場は、ソフトウェア開発者のビッグチャンスにつながると語った
パラササラシー氏が説明した“ユーザーに焦点を当てたソフトウェア”の方向性(図右)。視覚面、ウェブサービス、XML、UIといったソフトの基本となる部分の強化/役割の拡大が進むと指摘

基調講演冒頭に登壇した米マイクロソフト社 デベロッパー&プラットフォーム エバンジェリズム グループ コーポレートバイスプレジデントのサンジェイ・パラササラシー(Sanjay Parthasarathy)氏によると、マイクロソフトは「5年刻みに“賭け”を伴う新分野への挑戦」を行ってきたといい、1990年のGUIの本格採用、1995年のウェブ、2000年のMicrosoft .NETおよびウェブサービスに続き、2005年から今年にかけては、「過去の5年、10年、15年を土台に、ユーザーが中心に立つ時代へ」の進化を遂げると表現。これまでの15年以上の流れは、コンピューター環境の“インフラ”整備に取り組んできた時代だったが、今後は、よりユーザーの経験/価値に焦点を当てた製品が提供される時代になると述べた。

さらに同氏は、この“ユーザーが中心に立つ”ソフトウェアの時代に向け、同社では、新OS『Windows Vista』と次期Office“12”を投入すると述べ、講演に参加した開発者に向け、「(新OS/新Officeの登場で)ソフトウェアとサービスによるかつてない機会が到来」するとの期待感を強調した。

米マイクロソフト Windows クライアント プラットフォーム&ドキュメント ゼネラル マネージャのマイケル・ウォーレント(Michael Wallent)氏
『Windows Vista』のデモの模様。画面はフォルダー内のファイルをサムネイル表示しているところ。“Avalon”の機能により、画像以外の各種ドキュメントも内容のプレビューが可能なサムネイルが表示される

続いて登壇した米マイクロソフト Windows クライアント プラットフォーム&ドキュメント ゼネラル マネージャのマイケル・ウォーレント(Michael Wallent)氏は、新OS『Windows Vista』の構造や機能のハイライトを解説、β2(ビルドナンバーは5270)を用いたデモンストレーションも披露した。

『Windows Vista』の基本構造と、各機能の強化/改良点
『Windows Vista』の機能/コンポーネント構成

ウォーレント氏によると、Windowsプラットフォームの基本構造は、プレゼンテーション(表示処理)、データ処理、コミュニケーション、そしてこれらの土台となるベースオペレーションシステムサービスの4つからなるという。『Windows Vista』での各項目の代表的な機能/コンポーネントは以下のとおり。

プレゼンテーション
Windows プレゼンテーション ファウンデーション(WPF:コード名“Avalon”、Direct 3D技術をベースに、UI/ドキュメント/メディアなどの表示を司る)
ASP.NET(“Atlas”、ウェブクライアントフレームワーク)
 
データ
Windows データ ファウンデーション(統一プログラミングモデル“LINQ”による統合クエリー、データタイプに依存しないローカル/LAN/インターネット検索機能、RSSプラットフォームなどを備える)
ストレージサブシステム“WinFS”はWindows Vistaリリース後に実装へ
 
コミュニケーション
Windows コミュニケーション ファウンデーション(分散アプリケーション/コラボレートアプリケーション向けの通信プラットフォーム)
認証/アクセス制御管理機能
 
ベースオペレーションシステムサービス
ファイルシステム、Direct X、デバイス制御など、OSの土台となるコンポーネント群。セキュリティーやプライバシーの保護、迅速な展開とサービス、パフォーマンスや信頼性の向上などを重点的に強化。

さらに同氏は、『Windows Vista』登場のインパクトとして、

  • 顧客満足度向上が実現できる機能の実現
  • 素早い普及によるパソコン市場全体の活性化
  • 新機能や普及に伴う新たな市場の創出

といった点を挙げ、新OSの登場により「大きな“チャンス”」が生まれると述べた。

米マイクロソフト インフォメーションワーカービジネスグループ ゼネラル マネージャの沼本健氏
“Office”に含まれる製品。WordやExcelのようなプログラム自体のほか、サーバー、サービス、これらを組み合わせたソリューションまでが“製品群”に含まれる
この日の講演では、Outlook“12”やInfoPath“12”などのデモが公開された(画面はOutlook“12”)

また、この日の基調講演では、これまでにあまり情報が出回ってきていなかった次期Office“12”の話題も取り上げられた。解説を担当した米マイクロソフト インフォメーションワーカービジネスグループ ゼネラル マネージャの沼本健氏によると、一般的な“Office”のイメージは、WordやExcelなどに代表するビジネスアプリケーションを指す場合が多いが、同社では、現行バージョンのOffice 2003(Microsoft Office System)においては、“プログラム(WordやExcelなど)”“サーバー”“ソリューション”“サービス”という4分野を束ねた製品群としての打ち出しを強め、以前よりもトータル・ソリューション的、“インフォメーション・ワーカー”向けのインフラ的な役割を果たす製品群、という位置付けを確立したとしている。そのため、従来は同じOfficeブランドを冠する製品であっても、製品によって発売日/時期がばらついていたものが、Office 2003では同日/同時期一斉リリースという体制に変わり、前回は20製品以上が一斉に登場。次期Officeでは、その後の買収や開発による新規追加製品も加わり、30種類以上の製品が一斉にリリースされる予定だという。



Office“12”で実現するソリューションの基本理念。“ユーザー”を全ての中心としてフォーカスし、ビジネスの統合化、常時接続、全従業員の作業環境の進化、セキュリティー/プロセスの透明性向上を実現する
過去のOfficeと次期Officeの役割の違い。仕事上発生する作業やデータの処理に特化していた過去の製品に対し、次期バージョンでは、仕事全体の管理/運用やコラボレーション、情報発信といった面が強調されている

(編集部 内田泰仁)


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